【離婚訴訟において,夫婦共有財産を隠匿しているとの主張を排斥した例】
当事務所での解決事例の一部です。個人情報特定を避けるため、抽象化して紹介しています。
- 2018年09月4日
【離婚訴訟において,夫婦共有財産を隠匿しているとの主張を排斥した例】
ご家族の状況など
生駒市に居住するRさんは,夫と子どもと3人の5人で生活をしていました。Rさんの夫は会社員です。Rさん自身も,フルタイムで仕事をしています。もっとも,その収入は,夫の3分の1ほどしかありません。子どもは,中学3年生,中学1年生,小学5年生です。
ご相談の経緯
Rさんと夫は,いわゆる職場結婚をして,夫婦となりました。Rさんは,最初の子どもを妊娠した後,仕事を辞め,その後,3人の子どもに恵まれました。3人目の子どもが小学生になってからは,Rさんは,再び仕事をしたいと思うようになり,今は,フルタイムで仕事をしています。
Rさんの夫は,もともと育児にあまり協力してくれず,家事はほとんど全てRさんがこなしていました。Rさんが,子育てについて相談しても,夫は取りあってくれず,Rさんとしては心許ない生活を送ってきました。やがて,夫婦の会話はなくなり,家庭内別居のような状態になったのです。
Rさんは,夫と口をきかない生活が苦しくなり,子どもを連れて別居することを決断しました。
ご相談の内容
Rさんは,当事務所にご相談に来られ,夫との離婚を希望していること,親権を希望していること,相当額の養育費のほか,財産分与として夫婦共有財産の2分の1は取得したいと考えておられることを話されました。
当事務所の対応と解決
当事務所の弁護士はRさんからお話を伺い,婚姻用分担調停と離婚調停を申し立てました。
離婚調停では,夫は親権を譲らず,また,Rさんが財産を隠匿しているとの主張を繰り返しました。Rさんにとっては,何のことかよく理解できませんが,ようは,夫は,家計を管理していたRさんのお金の使い方が荒すぎる,ということを言いたかったようです。もっとも,Rさんからしてみれば,子どもら3人の育児には相当のお金がかかり,家計としては当然の支出をしてきたに過ぎません。
調停は不調となり,Rさんは離婚訴訟を提起しました。訴訟では,双方が持っている夫婦共有財産が開示されました。最終的に判決では,離婚が認められ,親権はRさんが取得し,互いの年収に応じて養育費の金額が決定されました。財産分与については,夫の,Rさんが夫婦共有財産を隠匿しているとの主張は排斥され,その上で財産分与を2分の1とする計算が為されました。また,年金分割についても按分割合は0.5となりました。